遺贈も死因贈与も「贈」の字があらわすとおり、贈与の一種です。
しかし、どちらの場合も、贈与税ではなく相続税の対象となります。
遺贈
遺贈とは、故人が遺言によって財産を贈与することをいいます。
贈与ではありますが、人が亡くなったことによって財産が移動するので、相続税の対象となります。
原則として、遺言には適正な手順を経て残された書面(遺言書)が必要になります。
遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
包括遺贈は、例えば遺言書に「全財産の4分の1を分ける」といった割合を示すものです。
この場合、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金などの債務)も引き継がなければなりません。
一方の特定遺贈は、例えば遺言書に「○○会社株式」「現預金○万円」「○市の土地のうち○㎡」のように明示があるものです。
この場合、遺言書にあるものだけを引き継げばよいので明快なのですが、遺言書が書かれた時点で存在した財産が、亡くなった時には既に処分されていて存在しないという可能性もあります。
死因贈与
死因贈与とは、死亡することで効力が発生する贈与のことで、簡単に言えば「私が死んだら○○をあげる」という贈与です。
こちらも贈与ではありますが、人が亡くなったことによって財産が移動するので、相続税の対象となります。
遺贈の場合は、亡くなって遺言書を開けてはじめて「○○をあげる」という意思が伝わる一方通行ですが、死因贈与の場合は、「私が死んだら○○をあげる」「もらいます」といったように生前に意思疎通できた状態ですので、契約といえます。
死因贈与の契約には、遺言書のような決まった手順はありません。
後々のトラブルを避ける為にも、契約書を作成しておいた方がよいでしょう。

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