特定技能ビザが4月1日からスタート

介護や外食業、宿泊業、建設業など、これまで外国人材の受入れが原則的に難しかった14分野について、新たに受入れを認める「特定技能ビザ」の新設を含む改正入管法(出入国管理及び難民認定法)が4月1日からスタートしました。

慌ただしく国会で成立し、確定した要件がなかなか提示されない状況が続いていましたが、3月に入り法務省から申請用紙のサンプルや資料が公開され、いよいよ受入れに向けた動きが本格化してきました。

雇用企業に課される届出義務

特定技能ビザで外国人材を受け入れるにあたり、これまでの一般的な就労ビザでの受入れと違い、雇用する企業(受入れ機関)に対し多くの届出義務を課していることは注目したいところです。

現在ある就労ビザのうち、最も一般的な「技術・人文知識・国際業務ビザ」は、システムエンジニアや通訳翻訳者など、理系知識や文系知識、語学力を生かした業務に就く方向けのビザです。

これまで、このビザをもつ外国人材を受け入れた場合や雇用契約が終了した場合、入国管理局(法改正により出入国在留管理庁へ変更)へ届出義務を負うのは外国人材個人であり、雇用企業が行う届出は努力義務とされていました。

ところが、新設される特定技能ビザでは、外国人材受入れや雇用終了、さらに業務の内容や報酬額など雇用契約内容を変更する場合についても、雇用企業に届出の義務が課されることになります。

定期的な報告義務も

このほか、雇用企業は四半期ごとに、特定技能外国人の受入れ数や氏名・生年月日等の身分事項、活動日数や活動場所など、受入れ状況に関する報告を義務付けられ、また、特定技能外国人と同じ業務に従事している日本人従業員に関する報酬支払状況についても届出を行うことが義務付けられます。

報酬の支払状況については賃金台帳の写しや預金口座等への振込み等、支払い実績の確認できる証票資料を併せて提出する必要があるなど、適切な内容(例:報酬額が日本人と同等以上)の雇用契約が確実に履行されるための対策が数多く設けられています。

報告義務を怠ると出入国在留管理庁から指導、改善命令等を受けるだけでなく、外国人材を受け入れられなくなる可能性もありますので、特定技能ビザによる外国人材の受入れには十分な態勢を整えて臨みたいところです。

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