中国、アフリカに6.6兆円の経済支援を表明

2018年9月14日、CNNが、「中国の習近平(シーチンピン)国家主席は3日、北京で開催した「中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)」の場で、アフリカ諸国への支援に総額600億ドル(約6兆6000億円)の資金を拠出すると表明した。・・・中国がFOCACで表明する経済支援はこれまで毎回拡大傾向にあり、前回の15年は12年の3倍に増えていた」と報道しました。

中国は、アフリカに対し年々経済支援を増やし、その豊富な地下希少資源の開発を狙っています。

また同時に、その潜在的な巨大市場を開拓するための中国企業の進出もサポートしています。

中国のアフリカ租税条約網

2018年11月現在、中国は102の国・地域と租税条約を締結しています。

対アフリカ諸国では13か国と締結しています。

一方、日本は、租税条約を61本71か国・地域と結んでいますが、対アフリカではわずか3か国(エジプト1969年*、ザンビア1971年、南アフリカ1997年)だけです(*は適用開始年)。

日本は20年以上前に南アフリカと締結したことを最後にその後増やしていないのに対し、中国は、近年戦略的に締結国を増やしています。

(注)租税条約は「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と〇〇国政府との間の条約(協定)」であり、二重課税調整や源泉税の軽減・免除で経済支援をするものです。

日本のアフリカ条約網拡大が遅れる理由

日本は、1997年に南アフリカとの租税条約を締結してから、新たにアフリカ諸国との租税条約の締結がなされていません。

決して、日本政府がアフリカ諸国を軽視しているわけではありませんが、より経済取引の多い欧米諸国・アジア諸国との新規締結や改訂作業に追われ、限られた人材では結果的に後回しとなっているのが現状です。

租税条約があるとないとでは、源泉所得税の減免措置が影響しますので、どうしても経済交流の活発度が違ってきます。

その点、経済支援を両にらみでアフリカの租税条約網を増やしている中国は、やはり戦略家と言えます。

  

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