自己株式取得の会計処理
取得した自己株式は、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除します。
また、期末に保有する自己株式は、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として一括して控除する形式で表示します。
自己株式の取得、処分及び消却に関する
付随費用は、損益計算書の営業外費用に計上します。
取得原価には含めません。
自己株式の取得は資産取得ではなく、株主資本の部分払戻しと解されるので、付随費用は原価算入になりません。
自己株式取得の税務処理
上場株式の市場買付などについては会計と税務は一致していますが、非上場の株式については、異なっています。
株主資本の部分清算と解される趣旨が税務では徹底しているのと、その上、取引相手が基本的に特定できるからです。
減資の場合には出資した元本を超える払戻しがあるとき、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。
自己株式の取得も同じで、出資額(100%資本組入れだったら従来の額面金額)を超えた対価での自己株取得とするときは、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。
みなし配当という利益の清算分配部分の金額は財産分配とともに消失させ、出資の部分の金額のみを残します。
これが税務上の自己株式の簿価です。
出資部分の財産も分配済みなのですが、減少処理しない「資本金」を相殺表示するものとしてマイナス表示の金額として表わしているわけです。
税務簿価の例外ケース
税務簿価の処理の扱いが異なるのは上場か否かによってですが、
① 上場株式でも公開買付のときは相手が特定できるので、法人株主の場合、みなし配当の対象になるので、非上場株式と扱いは同じになります。
② 非上場でも、平成 14 年の法改正より前から取得していた自己株式については付随費用を含めた取得原価のままで税務簿価となります。
③ 非上場でも、合併などで受け入れることになった自己株式は従来帳簿価額を引継ぐので、付随費用を含めた取得原価のままで税務簿価となります。

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