中小企業の海外進出
日本企業の生産拠点の海外進出は、1985年のプラザ合意以降、急激な円高の影響を受けて、NIES諸国(韓国、台湾、香港、シンガポール)を中心に進出したのが始まりです。
その後、進出国の人件費の高騰等の影響により、東南アジア、中国へと生産拠点を拡大していくこととなりました。
中国への進出は
1997年に発生したアジア通貨危機は、日本企業の東南アジアへの進出速度を減速さることとなりました。
一方、中国への進出は、厳しい為替規制によりアジア通貨危機の影響が比較的軽微であり、WTO加盟への期待が高まる中、1998年後半頃から急速に増加することとなりました。
そして、2001年の中国WTO加盟により、巨大市場中国への進出が集中することとなりました。
現在では
巨大市場として期待されるインド、インドネシアのほか、既存進出国の人件費の高騰を受け、カンボジア、バングラデシュ、ミャンマーなどの新興国への進出が増加しています。
同時に、日本経済の長引く不況、少子高齢化による国内市場の手詰まり感から中国、タイ、インドシア、インド、ベトナムなどの急成長を遂げる市場へ販路拡大を求め進出する企業が増加しています。
空洞化議論
中小企業の空洞化が問題視されたのは、これまで①プラザ合意後と②1992年の中国の南巡講和以降の第2次対中投資ブームから始まり、NIES諸国の人件費高騰等により、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアへの生産拠点移転が起こったアジア通貨危機前までの2回です。
ここでは、日本から工場がなくなるのではないか、「他社が海外進出したから自社も」という盲目的な海外進出といった進出が問題となりました。
空洞化議論は、中小企業白書2009年版において、「海外進出が国内の雇用を維持しながら、付加価値額の増大により労働生産性の向上を実現している場合が多い。」と結ばれて以降、下火となっています。
また、最近では、生産現場がなければ、次世代生産技術の開発もままならいことから本社工場の重要性も高まっています。

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