年末調整と言えば税金が還付されるイメージですが、必ずしもそうではなく、不足のケースもあります。
年末調整とは
毎月給与から源泉徴収される税額は、仮にその月額給与が1年間続いた場合の年間給与に対する所得税を、12か月で割った概算税額です。
その後、12月になって1年間の給与が出揃ったところで、正しいその年の給与に対する所得税を計算することになります。
年末調整とは、正しく計算した所得税額と、毎月概算で源泉徴収された所得税額の差額を、精算することなのです。
したがって、正しく計算した所得税額が毎月概算で源泉徴収された所得税額よりも少ない場合は「徴収し過ぎ」ということで、差額は還付されます。
反対に、正しく計算した所得税額が毎月概算で源泉徴収された所得税額よりも多い場合は「徴収不足」ですから、差額を追加徴収することになります。
年末調整は還付になることが多い
ほとんどの場合、年末調整は還付になります。
毎月給与から源泉徴収される税額は概算だということは前述したとおりですが、概算で預かる源泉税については、生命保険料や地震保険料等の控除のことを考慮していません。
年末調整で生命保険料や地震保険料等の証明書を提出することによって、やっと保険料の控除が受けられるわけですから、正しく計算した所得税額の方が少なくなるのです。
年末調整が不足になる原因
年末調整の結果、不足になる主なケースを紹介します。
毎月の給与の変動が大きい場合
所得税の税率は超過累進税率といい、所得が高くなるにつれ税率が段階的に上がっていくシステムです。
毎月給与から源泉徴収される税額は、仮にその月額給与が1年間続いたら・・・という前提ですから、
給与の変動が大きい場合、毎月徴収する税率も変動が大きくなってしまいます。
例えば、正しく計算した所得税の税率が20%の場合、給与の少ない月に「この給与が1年続いたら」という前提のもと10%の税率で源泉徴収していれば、正しく計算した税率の20%にあわせるため、不足額を徴収することになります。
扶養親族が減った場合
毎月給与から源泉徴収される税額では、扶養親族の人数を考慮していますので、扶養控除等を受けている前提で計算されています。
しかし、扶養親族が就職する等があった場合、その扶養親族にある程度の所得があると、扶養控除等が受けられなくなりますので、正しく計算した所得税額のほうが多くなってしまい、その結果徴収不足ということになります。

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