棚卸資産の期末評価方法として、税務上、選定可能なものは次の方法があります。
①個別法
期末棚卸資産の全部について、その個々の取得価額を、その取得価額とする方法
②先入先出法
最も古く取得したものから順次払出しが行われ、期末棚卸資産は最も新しく取得したものから順次なるものとみなして取得価額とする方法
③総平均法
期首棚卸高と期中に取得した棚卸資産の平均原価を総数量により算出し、この平均原価により取得価額を算出する方法
④移動平均法
棚卸資産を取得する都度、平均原価を算出し、期末に最も近い日における平均原価により取得価額を算出する方法
⑤最終仕入原価法
期末に最も近い時点で最後に棚卸資産を取得したときの取得価額をもって、期末棚卸資産の価格を計算する方法
⑥売価還元法
その期間における販売原価と売価の総額から原価率を計算し、売価で把握した期末棚卸資産高にこの原価率を乗じることによって期末棚卸資産の価格を計算する方法
評価方法は、法人の行う事業の種類ごと、かつ、棚卸資産の区分ごとに選定しなければならないことになっており、評価方法を選定しなかった場合には、⑤の最終仕入原価法により評価することになります。
この「棚卸資産の評価方法の届出書」の提出期限は、法人を設立した場合や新たに他の種類の事業を開始した場合などには、その最初の確定申告書の提出期限までとなっております。
また、いちど選択した棚卸資産の評価方法を変更することも可能です。
評価方法を変更する場合には、変更しようとする事業年度開始の日の前日までに、「棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」を税務署長に提出し、承認を受けなければなりません。
ただし、棚卸資産の評価は、利益に直接、影響を与えるため、むやみに変更することは出来ず、現在の評価方法を採用してから原則として3年経過していることが条件とされ、変更承認申請書には、変更しようとする理由を記載する必要があります。
評価方法にはそれぞれ長所・短所があるため、それぞれの法人の実情に合った評価方法を選択することが大切です。

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