確定申告状況
国税庁が公表している昨年分所得税の確定申告状況によると、確定申告書を提出した人は、前年比5.6%減の2185万3千人で、3年連続の減少です。
最近のピーク年(平成20年分)の92%です。
また、申告納税額がある人(納税人員)は前年比13.5%減の607万1千人と6年連続の減少です。
最近のピーク年(平成17年分)の73%です
所得金額については前年比2.9%減の33兆6790億円と、5年連続で減少です。
最近のピーク年(平成18年分)の76%です。
ただし、公的年金収入400万円以下の年金所得者の申告不要制度の創設があったので、これらは予想された数字です。
増加したものもある
減少ばかりの中で、増加しているものもありました。申告納税額です。
申告納税額は、前年を2.9%上回る2兆3093億円となり、4年ぶりの増加でした。
これには理由があって、「子ども手当」の支給に関連して、平成22年度税制改正で、15歳以下の年少扶養控除が廃止されたことによるものです。
申告納税額は、それでも、最近のピーク年(平成19年分)の77%です。
不動産と株式の状況
不動産に係る譲渡所得の申告者数は微減ながら、譲渡益を計上している人の数は7.1%増加しており、譲渡所得金額総額も12.3%増加しています。
黒字申告者数は赤字申告者数の1.5倍です。
不動産市況に動きがあるのかもしれません。
それに比べて、株式に係る譲渡所得については、申告者数は前年比3.8%減、黒字申告者数は前年比20.2%減、赤字申告者数は前年比1.7%増で、赤字申告者数は黒字申告者数の3.8倍います。
株式市場の市況の停滞状況は明るさを見出せません。
ICT利用申告は順調に増加
国税庁は説明もなく「ICT」という言葉を使っています。
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CT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略であり、ITとほぼ同義です。
署の確定申告書等作成コーナーとe-Taxの両利用者を指す言葉として「ICT」利用者ということにしているようです。
その利用者数は申告書提出者中48.9%を占めています。
本当の意味での電子申告人数も584.8万人で26.8%、前年分(544万人、23.5%)に比して順調な伸びです。

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