棚卸資産とは、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品、貯蔵品等をいいます。
棚卸資産の範囲ですが、会計上と税務上では、棚卸資産の認識が違う場合があるため注意が必要です。
例えば、会社案内のパンフレット等は、会計上は重要性の原則に照らし、取得時に費用処理することが認められる場合がありますが、税務上は原則的にすべて棚卸資産として認識しなければなりません。
消耗品などの貯蔵品については、毎期、概ね一定数量を取得し、経常的に消費している場合には、取得時の損金算入が認められるものがあるため、適用要件や使用実態を確認して、検討する必要があります。
ただし、切手や印紙は、実際に使用して分のみ損金になるため、棚卸計上が必要となります。
棚卸資産の取得価額
これらの棚卸資産は、原則として、取得価額で計上するとされています。
棚卸資産の取得には、「購入」と「自社生産」に分けることができます。
①購入の場合
購入した商品・原材料等の棚卸資産の取得価額には、購入代金のほかに、これを消費し又は販売の用に供するために直接要したすべての費用の額、例えば引取運賃、荷役費、購入手数料、関税などの付随費用も含まれます。
ただし、購入事務費、保管費、社内での移管運賃などの内部付随費用については、その棚卸資産の購入対価の概ね3%以内であれば、取得価額に算入せずに、全額経費として処理することができます。
②自社生産の場合
自社で生産した製品等にかかる棚卸資産の取得価額は、実際原価(製造のために要した原材料費・労務費・経費の額に販売のために直接要した費用を加算した金額)によるものとされていますが、適正な原価計算の基準に基づいて算定されているときは、その原価の額とみなされます。
したがって、実際原価の場合には、労務費・経費の集計範囲や間接経費の配賦計算が適正に行われているか、適正な原価計算の場合には、原価計算のロジックがどのようになっているかを把握・確認することが大切です。

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