法人税確定申告状況からみる景況
国税庁が公表している平成23年度分法人税の申告状況によると、申告件数は276万3千件で、前年比千件増でほぼ横ばいながら、申告所得金額の総額は37兆2,883億円、申告税額の総額は9兆5,352億円と、前年度に比べ、それぞれ1兆1,047億円(3.1%)、1,496億円(1.6%)増加し、2年連続の増加となりました。
公表資料によると、平成18年度は過去最高で法人申告所得金額57兆828億円、その後はリーマンショックの翌年の平成21年まで40%減となるまで下がり続け、その後漸次回復基調にあったところです。
昨年度において過去最低であったもの
法人の申告件数中の黒字申告件数の割合は、平成時代の初めには、50%近くありましたが、バブルの崩壊後10年間は一貫して下がり続け、不況に慣れる中で30%程度の低いレベルでウロウロしていたところ、リーマンショックの平成19年度以後更なる底割れを始めて、昨年平成22年度は25.2%と過去最低を記録していました。
今年度平成23年度は、4年ぶりに上昇に転じ、黒字申告割合は25.9%となり、前年度比0.7ポイント増加しました。
法人数は減り、二極化の方向
法人数は、日本人の起業精神の衰退を反映してか毎年少しずつ減っており、今年も前年比千社減となって297.7万社(除く清算中法人)です。
申告している法人は276.3万社で89.6%とされています。
この申告割合は毎年似ており、事業をやめてしまったような会社で申告していないものがあることを示しています。
赤字申告割合の下げ止まりに対応して、黒字申告割合が増え、黒字申告所得総額は372,883億円、前年比3.1%増となり、一件当り黒字法人の申告所得も52,093千円、前年比0.3%増となっています。
しかし、欠損法人の欠損総額は217,343億円で前年比4%増、一件当り欠損額は10,615千円で前年比4.9%増です。
黒字申告所得の増と欠損申告所得の増とが両立してしまっています。二極化です。
e-Tax利用申告は順調に増加
平成23年度における法人税申告のe-Tax 利用件数は152.1万件(55%)となっており、前年比12.3%増で、順調な推移です。

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