太陽光発電と余剰電力買取制度
太陽光発電は、2009年の余剰電力買取制度の開始から、2010年度には前年比52.4%増の21.8万件と大きく拡大しました。
昨年は東日本大震災をきっかけに導入を考えたという方も多いのではないでしょうか。
余剰電力買取制度は、太陽光発電により生産された電気が、自宅等で使う電気の量を上回った場合、その上回る分の電力(=余剰電力)を10年間、電力会社に売ることができる制度です。
電力会社に対して電気を売り渡すことを売電と言い、余剰電力の売電収入は所得計算上の収入金額になります。
売電収入と所得の分類
売電により得られた収入は所得計算の際、どのような所得に分類されるでしょうか。
例えば、給与所得者が自宅に太陽光発電設備を設置した場合はどうでしょう。
一か所の会社に勤め、給与所得以外の所得がないごく一般的なサラリーマンが太陽光発電設備を自宅に設置し、家事用資産として使用しその余剰電力を売却しているような場合であれば、雑所得に該当します。
このようなサラリーマンの場合、給与の総額が2000万円以下で、毎月給料やボーナスから所得税が源泉徴収され年末調整を行っていれば、通常確定申告をする必要はありませんが、売電による雑所得の額が20万円を超えた場合には確定申告の必要が出てきます。
しかし、一般家庭の平均的な1日あたりの余剰電力は約7kWhと言われており、経済産業省が発表した平成23年度の電気買取価格は住宅用で42円/kWhとなっていますので、売電による平均収入は単純計算で年間107,310円です。
さらに、この収入額がそのまま雑所得の額になるのではなく、ここから更に必要経費を引くことで雑所得の額が求められます。
太陽光発電をするためには当然発電設備を整える必要がありますが、この設置費用は減価償却という方法で数年に渡り一定割合ずつを経費にすることができます。
その他にも、設備の修理等の経費が発生しますので、売電のみで雑所得が20万円を超えることは極めて稀だと言えます。
また、売電により得られた所得が無条件に雑所得へ分類されるわけではありません。
同じように自宅へ太陽光発電設備を設置した場合であっても、自営業者で自宅兼店舗として利用している方や、不動産賃貸業を営む方が賃貸アパートに設置した場合など、その人の所得条件により事業所得や不動産所得に分類される例もあります。

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