円為替レートの推移
今年に入ってからも円高基調が続いています。
円高への傾向は固定し、強くなっているような気配です。
そうなると、外貨預金による為替差益を狙うことは期待できません。
こういう現状では、むやみに外貨預金の取り引きを行うよりも、税務上の取り扱いを知っておく方が有益かもしれません。
外貨預金の利子
外貨預金の利息は利子所得です。
税額算出方法については、外貨利息そのものに直接税率をかけるのではなく、外貨利息をいったん円換算した上で、源泉分離課税として税率20%(所得税 15%+住民税5%)をかけて源泉徴収することになっています。
つまり、確定申告をする必要はなく、実際に受け取る利息額も税引き後のものです。
円貨の預金利息の扱いと同じです。
為替差益の所得
為替差損益は総合課税の雑所得です。
ただし、外貨建預貯金でその元本と利子を予約レートで換算して支払うこととされているものの差益だけは利子所得と一緒の源泉分離課税です。
サラリーマンで外貨預金をしていた場合は、給与所得以外の所得が20万円以下のときの確定申告不要については、源泉分離課税の預金利息や為替差益はその判定から除外されます。
判定対象は予約レートに係らない為替差益の部分だけです。
とは言え、医療費控除などを受けるために確定申告を行うのであれば、為替差益が20万円以下であっても、その分も含めて確定申告する必要があります。
為替差損の所得
なお、為替差損がでた場合、ほかに雑所得に該当する所得がなければ、為替差損による雑所得は0円となります。
雑所得の赤字は他の所得の黒字との損益通算ができないからです。
従って、年金所得とか原稿料とかFX店頭取引とかの雑所得がほかにある場合は、被った為替差損は、それらの雑所得とは損益通算できます。
例外として、差金決済先物取引や株式売買取引で雑所得となるものがあったとしてもこれらの雑所得は分離課税なので損益通算対象外です。

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