オフィスを移転する企業が最も多いのは3月だそうで、年間の引越日の約3割がこの時期に集中すると言われています。
そして、年明けの3月移転を目指している企業が動き始めるのが9月から10月頃。
物件選びでは立地等営業面の諸条件の他、移転後に行う関係官庁での手続きについても意識しておきたいところです。
関係官庁への届出も忘れずに
会社としては取引先やお客様への移転案内が優先になってしまいますが、関係官庁への届出も忘れてはいけません。
法務局に税務署、都道府県税事務所、労働基準監督署等のほか、忘れがちなのが許認可を管轄する関係官庁への届出です。
役所への届出はほとんどの場合が事後報告になりますので、つい後回しになってしまいますが、移転後に許認可事業の継続に関わる事実が発覚しては、せっかくの移転が台無しです。
許認可取得の基本のひとつ、「場所」
一口に許認可とは言っても役所での手続きは多種多様ですが、大抵の手続きで基本となるのが「人」「財産」そして「場所」の3つです。
許認可によっては取得した「場所」に対して付与されるものもありますので、オフィスの移転により新たに審査を受けなければならない場合や、事前承認を必要とする場合もあります。
たとえば、職業紹介事業の許可を例に見ると、許可に際しては、周辺に風俗営業系店舗が密集していないこと、対面型であれば面積は概ね20㎡であることや応接スペースを設けることなどが条件となり、移転後のオフィスでもこれらの条件を満たすことが必要です。
特に気を付けたいポイント
周辺施設や面積的な要件の他、レンタルオフィスや他社との共同事務所に移転する場合は、パーテーション等により独立性が確保されているかといった点も問題になることがあります。
レンタルオフィスについては転貸借扱いになり、オフィスの運営者と建物のオーナー双方の協力が必要になるケースも珍しくありません。
また、本来居住用である物件などについては建物のオーナーから使用承諾を求めることになりますが、実はこの承諾が一番のハードルになることが多いのです。
心機一転、気持ちよく業務をスタートするためにも、充分な事前確認で余計な手続きやトラブルを未然に防ぎたいものです。

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