たばこ税の増税
政府は昨年12月22日に、平成22年度税制改正大綱を閣議決定しました。
この中で、たばこ税は「1本当たり3.5円の増税(価格上昇は1本当たり5円程度)」することが盛り込まれました。
これにより主要銘柄のたばこの価格は1箱400円程度になりそうです。
増税の目的
増税の目的は、あくまで税収の確保です。
喫煙が健康に及ぼす影響や。日本も批准した「たばこ規制枠組み条約」においても「価格・課税措置がたばこの消費減少に効果的」という意見も聞かれましたが、今回の増税の目的ではありません。
たばこ税の歴史
そもそも、たばこ税は、1898年、日清戦争後の財政の立て直しのために、たばこを政府の専売商品として販売、安定的に税を徴収する目的で「葉煙草専売法」が施行されました。
しかし、葉タバコの密耕作などで、目標とした税を徴収できなかったといいます。
その後の日露戦争時には戦費調達を目的に、葉タバコの買い付けから製造、販売までを管理するようになりました。
第2次世界大戦終了後は、専売公社がたばこの製造を独占し、専売公社はたばこを販売した利益を、専売納付金として国に収めていました。
1985年に専売公社は民営化され、日本たばこ産業(JT)となりましたが、国の重要な税収源を廃止することはできず「たばこ消費税」が創出されました。
そして、消費税の導入で、名称が「たばこ税」に変更され、現在に至ります。
たばこ税の根拠
現在、たばこ税は「たばこ事業法」のもとで財務省が所管しています。
「たばこ事業法」は、たばこ産業の健全な発展と財政収入の安定的確保を目的とする法律です。
国民の健康目的を理由に増税するのであれば、「たばこ事業法」の目的から、改正を前提に検討すべきでしょう。
その場合にはかつての「禁酒法」「禁煙法」が何故廃止されたのかも視野に入れた幅広い議論が必要となると思います。
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