年末調整の時期です。
従業員が扶養控除等申告書の記入を誤ったり、記入しなかったりすることによって、配偶者や扶養親族の異動や所得見積額が、事実と異なる場合があります。
扶養控除等申告書は自己申告が大前提ですので、そのまま年末調整をする会社が多いのですが、忘れたころになって、税務署から「扶養控除等の控除誤りの是正について」というお尋ね用紙が、会社あてに届くことがあります。
このような書類が送付されたとき、会社はどのように処理すればよいのでしょうか。
処理の手順
1.「扶養控除等の是正結果回答書」の「受給者氏名」欄に記載された方が在職しているかどうかを確認します。
なお、該当する従業員が退職していた場合には、摘要」欄に「○年○月○日退職」と記入し、退職所得の源泉徴収票等の退職の事実を確認できる書類を添付して返送します。
2.「扶養控除等の是正結果通知書」の「誤りと認められる控除対象者に関する事項」欄に記載された①氏名②控除の種類③誤りの内容と、誤り年分を確認し、その当時の年末調整で、実際にその所得控除を適用したかどうかを、社内に保管している源泉徴収簿及び給与所得者の扶養控除等申告書で確認します。
また、記載された年分に限らず、過去3年間の処理も確認するように求められています。
なお、すでに是正済みの場合には、「摘要」欄に、「是正済○年○月○日○○○円納付済」と記入し、是正後の源泉徴収票等を添付して返送します。
是正により納付税額が発生していなければ、「是正済」のみ記入して返送します。
3.会社で保管している書類に計算ミスがない場合には、直接受給者本人に「扶養控除等の是正通知書」の内容を説明し、事実確認を行います。
○誤りがない場合
「摘要」欄に「適正」と記入して返送します。
○自分で適正額を計算し、確定申告していた場合
「摘要」欄に、「○年○月○日○○税務署確定申告済」と記入して返送します。
○誤りがあった場合
・年末調整の再計算を行い、追加納付税額を「是正により追加納付する税額」欄に各年度分ごとに記入します。
・追加納付する税額については、受給者から徴収し、「扶養控除等の是正結果回答書」に同封されている納付書で、是正を行った年分の12月分として納付します。
是正の手続きは、事実確認のための資料が必要だったり、年末調整の計算を再度行う等、余計な手間がかかってしまいます。
年末調整を行う際には、各従業員に対して、配偶者、扶養親族の所得見積額の確認をしっかり行いましょう。
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