国民の医療費は、2005年の33.1兆円から、2015年には42.3兆円に増えています。
この10年間で、1.3倍になりました。
団塊の世代が75歳以上になる2025年には、国民医療費はさらに1.5倍とますます増える見込みです。
若い世代との間や、同じ高齢者の中での公平を図るため、高齢者の方にも、所得に応じて負担をお願いするという制度の見直しがありました。
(1)保険料の引き上げ
75歳以上の方のうち、年収約153万円以上の方の保険料が上がります。
75歳以上の方の保険料は、①個人の年収に応じて納める部分(所得割)と、②全員が納める定額部分(均等割)があります。
① 所得割の軽減率
年収約153万円~約211万円の方の所得割の軽減率が5割から2割に下がります。
平成28年度は、本来納める所得割額から5割軽減されて、残り5割分の納付でしたが、平成29年度より、2割軽減となりますので、残り8割分の納付となります。
全国平均で、月額最大約1,320円の増額となります。
② 均等割の軽減率
元被扶養者の方の、均等割の軽減率が9割から7割に下がります。
元被扶養者とは、75歳になる前日に、健康保険の被扶養者であった方です。
例えば、単身の方で、年金収入が168万円を超える方や、75歳以上の夫婦2人世帯で、一方の年金収入が168万円を超える場合などの要件に該当する方が対象となります。
全国平均で月額約750円の増額となります。
(2)医療費の自己負担の上限額の引き上げ
70歳以上の方のうち、年収約156万円以上の方の医療の自己負担の上限額が上がります。
毎月の自己負担の上限額は、収入によって設定されています。
外来の上限額(月額)は、次のように変わります。
① 約156万円~約370万円 12,000円 ⇒ 14,000円(年間上限は144,000円)
② 約370万円~ 44,400円 ⇒ 57,600円
(1)の保険料の引き上げについては、平成29年度の保険料から適用となります。
(2)の医療費の自己負担額の上限額の引き上げは、平成29年8月から適用となっています。
平成30年度も、同じように保険料の引き上げ、自己負担の上限額の引き上げが予定されているようです。
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