家賃などを一括で前払した場合に、1年以内に役務の提供を受け、継続して支出事業年度に経費としているときには、法人税では短期前払費用として、全額経費として認められます。
同様に消費税においても、短期前払費用の適用を受けている場合は、支出事業年度の課税仕入として認められます。
このため、平成26年3月31日までの支出した日に課税仕入を認識している場合は、旧税率5%の適用となります。
しかし、請求書等で平成26年4月1日以降の分について新税率8%の請求を受けたことが明らかであり、その通りに支払っている場合には、法人税で短期前払費用を適用して全額を損金算入していても、翌課税期間において新税率8%により仕入税額控除を行うことが認められます。
具体的な処理としては、「仮払金による処理」と「仕入対価の返還による処理」が挙げられます。
① 仮払金による処理
平成26年3月31日までの期間に対応する部分を5%で計上し、施行日以降の期間に対応する消費税相当額を仮払金として翌期に繰越し、翌課税期間に新税率8%を適用して仕入税額控除をする。
② 仕入対価の返還による処理
施行日以降の期間に対応する部分も含めて、旧税率5%を適用して仕入税額控除をしておき、翌期に新税率適用部分について、対価の返還があったものとして処理をしたうえで、改めて新税率8%を適用して仕入税額控除をする。
消費税率の変更によって、経理処理上いろいろな状況が考えられますので、情報収集が大切ですね。

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