「国外送金等調書」制度、「国外財産調書」制度に続き、国境を越えて有価証券の証券口座間の移管を行った場合に調書の提出を義務付ける「国外証券移管等調書」制度が、平成27年1月1日以後の移管の依頼から適用されています。
対象となるのは、「国内証券口座から国外証券口座へ」または「国外証券口座から国内証券口座へ」有価証券の移管を依頼する場合です。
依頼者は、原則として法人・個人、居住者・非居住者、内国法人・外国法人の別を問わず、その依頼者の氏名・住所・取引などの事項を記載した「告知書」を、依頼先の証券会社等に提出しなければなりません。
そして、依頼を受けた証券会社等は、移管等ごとに依頼者の氏名・住所・有価証券の種類などの事項を記載した「国外証券移管等調書」を作成し、移管等を行った日の属する月の翌月末日までに所轄の税務署に提出します。
国外証券等移管調書は、国外送金等調書と異なり、その移管等をした有価証券の価額にかかわらず、すべての調書を提出する必要があります。
次の違反がああった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することとされています。
・告知書の不提出及び虚偽記載による提出
・国外証券移管等調書の不提出または虚偽記載による提出
・国税庁、国税局又は税務署の当該職員の質問検査権に対する不答弁及び虚偽答弁または検査の拒否、妨害もしくは忌避
・当該職員の物件の提示または提出の要求に対する不提示もしくは不提出及び虚偽記載の帳簿書類その他の物件の提示もしくは提出
国税当局は、国外財産について、様々な手段を講じて情報収集を行っていますので、課税逃れなどの問題にならないように注意が必要です。

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