前回、建物の賃借料について、消費税の適用税率を取り上げましたが、今回はリース物件について見ていきたいと思います。
(1)所有権移転外ファイナンス・リース
① 平成20年3月31日以前に契約を締結している場合
税務上は「資産の貸付け」として扱われるため、建物の賃借と同様に、資産の貸付けに関する経過措置の要件を満たしている場合には、平成26年4月1日施行日以後の期間に係る部分についても、旧税率5%が適用されます。
・当該契約に係る資産の貸付期間と当該期間中の対価の額が定められていること。
・中途解約できる旨の定めがないことその他対価に関する契約内容が政令で定める要件(フルペイアウト)に該当していること。
② 平成20年4月1日以後に契約を締結している場合
税務上は「売買」があったものとして取扱われます。
リース取引の目的となる資産の引渡しの時に譲渡があったこととなるため、引渡し時点の税率が適用されます。
③ ②の取引について、賃借人が賃貸借処理をしている場合
売買とされる所有権移転外ファイナンス・リース取引は、引渡し時点の税率が適用されるため、平成26年3月31日までにリース資産の引渡しをうけたものについて、賃貸借処理をしている場合は、平成26年4月1日以後の支払いに係る部分についても旧税率5%が適用されることになります。
④ ②の取引について、「対価の額の増減」や「残存リース料の支払い」があった場合
リース料について増額又は減額された場合や中途解約により支払われる残存リース料においても、リース資産の引渡しがあった日における税率が適用されるため、平成26年3月31日以前に資産の引渡しがあれば、旧税率5%の適用となります。
(2)オペレーティング・リース
税務上、「資産の貸付」として扱われます。
(1)①と同様、資産の貸付けに関する経過措置の要件を満たしている場合には、施行日以後の期間に係る部分についても、旧税率5%が適用されます。
・当該契約に係る資産の貸付期間と当該期間中の対価の額が定められていること。
・事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
経過措置の対象とならない場合には、平成26年4月1日以後のリース料に係る消費税率は、新税率8%が適用されます。

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