外国人従業員と人事異動
社内の活性化や人材育成など、人的資源の有効活用を目的とした人事異動は企業活動にとって欠かすことができません。
試用期間中、採用当初予定していた職務の他に、社員の新たな適性を見出すこともあるでしょう。
しかしながら、外国人従業員の場合、日本人従業員と同様の感覚で異動させてしまうと、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)上問題となることもありますので、人事異動の際には本人の適性だけでなく、それぞれの従業員が持つ「在留資格」の活動範囲を合わせて考慮することが必要です。
日本滞在のための3つのポイント
外国人が日本での滞在を許可される主な要件に、次の3つがあります。
①在留資格の該当性
在留資格に該当する活動を行っているか
②基準適合性
学歴要件や職歴要件等、省令で定められた基準に適合しているか
③相当性
業務量に安定性・継続性があること等、日本に滞在する相当な理由があるか
各ポイントに配慮した人事異動が必要
在留資格とは、外国人の方が日本に適正に滞在するため必要とされる資格であり、それぞれの職務内容や立場に合わせ、27種類あるうちのどれか一つが交付されています。
①は、その在留資格に合わせた活動を行っているかというポイントであり、人事異動の際、第一に気を付けなければならないのがこの点です。
つまり、就労している外国人の場合、ほとんどの方が日本での滞在を職務内容に合わせて許可されているため、やみくもに人事異動を行うとこの在留資格への該当性を失うことになり、異動先によっては在留期間の更新時に不許可となる可能性も多分にあるのです。
また、③相当性についても、異動先の業務量が安定しているか、継続性があるかといった点で非常に重要です。
外国人の方が日本に滞在するためには、法令で定められた要件が前提になるということを念頭に置き、採用時や呼び寄せ時に注意した点をもう一度思い出しながら、本人の適性に加えて考慮することが求められます。
 

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