地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図ることを目的として、「地方法人税」が創設されました。
国から交付する地方交付税の財源を確保するためであり、これに合わせて、法人住民税法人税割の税率が引き下げられるため、法人の全体的な税負担には影響がないことになります。
概要は次の通りです。
① 納税義務者
法人税を納める義務がある法人
② 課税標準
各事業年度の所得に対する法人税の額
利子配当等に係る所得税額控除等は適用せずに計算。また、附帯税の額は除く。
③ 税額の計算
地方法人税の額は、課税標準法人税額に4.4%の税率を乗じた金額
④ 申告及び納付
申告及び納付は、国(税務署)に対して行う
申告書の提出期限は、法人税の申告書の提出期限と同一
⑤ 適用事業年度
平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用
適用される最初の確定申告は、1年後からとなりますが、法人税申告書の別表一(一)などが改正されることになりました。
これについて日本税理士会連合会は、双方の事務負担の軽減、地方法人税の申告を失念することを回避できるなどの理由で、法人税申告書の別表一(一)において、法人税と地方法人税の申告を同時に行えるように要望しました。
こうした要望を受けて、平成26年10月1日開始事業年度分の法人税申告書別表一(一)には、地方法人税額の計算欄が追加されています。
また、法人事業税と国税分である地方法人特別税の税率も改正されることになります。
平成26年10月1日以後に開始する事業年度から、地方法人特別税の概ね3分の1が法人事業税に復元されることになりました。
いずれも、法人税、地方法人税、法人住民税・事業税を合わせた税額は、従来と変わりないようになっています。
予定申告は、通常、前事業年度税額の6/12を納付しますが、税率が改正されることに伴い、平成26年10月1日以後に開始する最初の事業年度に係る予定申告に限り、以下の経過措置が設けられています。
法人事業税  7.5/12
地方法人特別税  4/12
都民税法人税割  3.8/12

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