選択課税事業者の不適用届出と拘束期間
インボイス方式の導入により、消費税の免税事業者の多くが課税事業者を選択すると予想されています。
課税事業者になった場合、それを取り止めるには、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を免税事業者に戻ろうとする課税期間の前課税期間中に提出しておかなければなりません。
ただし、選択課税事業者は、2年間は元の免税事業者に戻れないという拘束期間の定めがあります。
拘束期間の延長の特例
なお、課税事業者選択期間中に、単価100万円以上の課税仕入資産(調整対象固定資産)を取得、又は単価1000万円以上の課税仕入資産(高額特定資産)を取得した場合は、その拘束期間は、それらの資産の取得に係る期を含めた3年と、伸びています。
不適用届出の提出のタイミング
2年縛りでみてみると、課税事業者適用期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、免税事業者への復帰の届出書を提出できない、と定められています。
提出のタイミングとしての、「2年を経過する日の属する課税期間の初日以後」とは、「2年目の初日以後」なのか「3年目の初日以後」なのか、通常の日本語の解釈としては、分かり難いところです。
「経過する日」と「経過した日」
免税復帰への届出は、前課税期間中に提出しなければならないことから、「3年目の初日以後」と解すると、4年目からしか免税復帰とならないので、ここは「2年目の初日以後」と読むべきところと推測されるのですが、それは、「経過する日」という規定に拠っています。
「経過する日」と「経過した日」の中間の日は存在せず、両方に重複して該当する日も存在しません。
経過する日は23時59分60秒で終わり、経過した日は0時0分0秒から始まります。
3年縛りも同様の規定になっています。
経過日・経過の時
「経過する日」と「経過した日」の解釈を間違えると、1年間の相違になってしまいますので、「経過日」というようなどちらなのか不明な規定はあってはならないことになります。
ちなみに、「経過する日」と「経過した日」の中間としての「経過の時」という23時59分60秒でかつ0時0分0秒を意味する規定は存在します。
類似の表記では、「終了の時」があります。
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