税金が奪われている?! 金の密輸入
近年、金の密輸入の摘発件数が増えています。
財務省の発表では、平成25年までは年間十数件だったのが、平成26年は119件、平成27年は465件、平成28年は811件、平成29年に至っては1347件となっています。
密輸入の要因は消費税です。香港等の消費税の無い国や地域で金を購入した場合、本来なら日本に入る際に税関で消費税分の税金を払わなければいけません。
これを密輸することにより回避すると、売値が買値と同じなら、消費税分の「儲け」が出るのです。
また、国内で買い取った金は輸出免税となるため、再度国外に売却し、消費税の無い国でまた購入、密輸で日本に持ってきて……と、ループ式に儲けが増えてゆきます。
犯罪への甘い誘いにご用心
過去には「海外旅行もタダで行けるしお小遣いも貰える」と甘い言葉で一般の旅行客を誘い、密輸に加担させた犯罪集団も居ます。
海外で仲良くなった人物に「日本に居る友人にこの荷物を渡して欲しい」と謝礼と共に細工されたケースを渡されて……等の話も良く聞きます。いずれも犯罪ですから、絶対に加担しないようにしましょう。
密輸と知っていてそれを手助けしたり、密輸品と知って買い取ったりした場合は「密輸品譲受等の罪」に問われます。
国の対応は
平成31年10月からは消費税が10%に引き上げられる予定です。
消費税率がそのまま犯罪集団の資金に直結する金密輸犯罪をこれ以上跋扈させないために、平成30年4月10日からは輸入について、消費税の脱税に係る罰金額の上限を、「脱税額が1,000万円を超える場合は脱税額まで」から「脱税額の10倍が1,000万円を超える場合は脱税額の10倍」としています。
また、財務省は「ストップ金密輸」緊急対策として、罰則引上げの他にも旅客への検査の強化をはじめとした各種検査の強化と、情報収集や分析の充実を掲げています。
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