会社出張で貯まったマイレージ
「夏休みは、マイレージをかき集めて、家族4人分の沖縄旅行のチケットを手配した!」なんて話を聞いたことはありませんか。
世界を飛び回る商社マンは、特に航空マイレージが貯まりやすい人種のようです。
マイレージ制度と課税の問題
航空会社のマイレージ制度は、一般的にはFREQUENT FLYER’S PROGRAM(FFP)と呼ばれるものであり、1980年代の初頭に米国の航空会社から、常顧客の獲得を目的とした販促プログラムとして始まりました。
搭乗実績に応じ移動距離(=マイル)を顧客にマイレージとして付与し、貯まったマイルで無料航空券(=特典航空券)を利用できたり、座席をアップグレートしてもらったりできるマーケティング戦略です。
航空会社利用のお礼として、特典航空券等を贈与している分には、値引きの一種として課税問題は考えなくてよい話でした。
しかしながら、マイレージに有効期限を設けていることから、搭乗頻度の少ない利用者は、特典航空券の必要マイル数に達せず、期限切れでそれまで貯めたマイレージが失効することもあったため、マイル数が少ない場合にも特典商品に交換できる制度が導入されました。
さらに、現在では、他のポイントサイトのポイントに交換し、そちらのサイトでの買い物等に利用できるルートも設けられています。
特典商品や他のポイントへの交換は、航空会社の値引きの範疇から外れてしまいます。
交換があった時点で、会社から個人への贈与として一時所得扱いとされます。
確定申告は必要か?
一時所得は、50万円の特別控除があります。
さらに総所得金額に合算時には1/2にされます。
サラリーマンで給与を1か所からだけもらっている場合(=大半の方がこれに該当するはずです)で、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。
そのため、マイレージを使って得た経済的利益が90万円相当以内であれば、他の所得がなければ、確定申告しなくとも構わないということになります。
なお、「会社経費で獲得したマイレージは給与ではないか?」という疑問も出ますが、給与所得は「勤務先から受ける給料、賞与などの所得」なので、(気持ち的にはボーナスですが)給与所得ではありません。
記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。
記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。
ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。