目標管理制度は経営戦略目標を達成する業績管理制度であり、そのために、自社の組織と社員を主体的・挑戦的に動かすマネジメントシステムともなっています。

その推進プロセスでは、経営者・管理者の権威や権力が使われることになりますが、それらの特質を知らずに使うことは、目標達成の足を引っ張ることになりかねません。

「権威と権力の特質」

権威と権力の違いは次の通りです。

権威

その人の過去の実績や振る舞いから、自然に身に付き、人格からにじみ出るもので、他者の信頼を得ることができる。

全ての経営者・管理者に備わっているとは限らない。

権力

ポストに付随する外から与えられた力で、他者を従わせる強制力を持つ。

経営者・管理者に必ずある。

したがって、経営者・管理者が目標管理制度の目標設定、推進プロセスでマネジメントを行なう時、権威的であれば、所属組織の社員は、その指導・支援に積極的に従い、期待に応えて活躍してくれます。

逆に権力を前面に出して、指導しようとすれば、反発を招きかねません。

経営者・管理者が、自らの努力で備えた権威を持たず、ポストに与えられた権力で強制して組織・社員を支配する目標設定、目標達成を図れば、その主体性や挑戦意欲が失われてしまいます。

反対に権威が機能し、権力はその背後にある組織では、社員が納得し、進んで目標達成に挑戦する強い組織になるでしょう。

経営者・管理者の留意点

経営者・管理者が、権威を重視し、自らを省みて権威を高めるには、次のような努力を継続することが必要です。

①自分に備わった権威とは何か、その権威は、どのような努力と実績によって備わったのか、を毎年、目標設定の前段階の一定時期に自己評価する。

②年度の目標設定や達成プロセスのマネジメントで自分が持つ権威をどのように生かすかをマネジメント目標として設定し、実行する。

③経営者は、管理者研修などで、管理者が権威の涵養や活用について、相互に話し合い、相互啓発、自己啓発を行う機会を設けるなどの支援を行う。

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