節税行為はテロ等準備行為

クローズアップ現代というテレビ番組では、「国会に提出され、今国会での成立が期されているテロ等準備罪法案は、組織的犯罪集団の関与が想定される犯罪として、277の犯罪類型に対象を絞り込んでいる」との解説があり、その277の犯罪類型の一つに「節税がある」と大きく字幕表示されていました。

出演者の一人も、節税対策を練っていて、結果的にそれをやめたとしても、準備行為はしていたわけなので、「テロ等準備行為」と見られる可能性は残る、との趣旨のことを言っていました。

節税がどうして、テロ等準備罪法案での規制対象になるのだろうか、と不思議に思いました。

テロ等準備罪法案をみてみると

この条文案を確認してみると、テロ等準備罪法案の対象は、「テロリズム集団」と「その他の組織的犯罪集団」です。

「その他の組織的犯罪集団」とは何かというと、「別表第三」に掲載される罪を実行しようと計画した者が該当します。

この「別表第三」には、税に関しては、①軽油の不正製造・軽油取引税の脱税、②関税法違反の不正輸出等、③偽り不正の行為で所得税・法人税・消費税を免れること、などが記載されています。

これら①②③は刑事罰規定ですが、行為計算否認の税法規定の適用で、すべて合法の行為でも、上記③の偽り不正行為の対象とされる可能性がないわけではありません。

偽り不正行為規定の適用に至る回路が遮断されていない以上、節税プラン作りが即「テロ等準備行為」になる、というテレビ番組の警告は、その通りかもしれません。

節税プランを練っていた段階で、内部告発でそれが暴かれ、それだけで、「組織的犯罪集団」のレッテルが貼られるとしたら、民間企業としては命とりです。

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