利子所得も申告可能に

公社債等の利子については、昨年までは特定の国外債を除き、支払時に「所得税及び復興税15.315%・住民税5%」による源泉徴収が行われ、この源泉徴収によって納税が完了でした(源泉分離課税)。

しかし、平成28年1月1日以後、特定公社債等の利子所得については、申告分離課税による確定申告を選択することができるようになりました。

また、同族会社が発行した社債で、その同族株主等が受領するものの利子については、支払時に「所得税及び復興税15.315%・住民税なし」による源泉徴収が行われたのち、当該利子所得は総合課税の対象となり確定申告を要することになりました。

特定公社債等の利子とは

ちなみに、特定公社債等の利子は、

①特定公社債(国債、地方債、外国の国債及び地方債、上場公社債、公募公社債その他の特定の公社債)の利子

②上場公社債投資信託の収益の分配金及び公募公社債投資信託の収益の分配金等

からなっています。

個人投資家の運用対象の大部分がこれに該当します。

一方、一般公社債等の利子とは、特定公社債等の利子以外の利子です。

利子割と配当割

住民税においては、昨年まで、利子については「利子割」、そして、配当(特定配当等)については「配当割」、という名称で特別徴収(源泉徴収)をしていました。 

しかし、平成28年1月1日以後における特定公社債等の利子に対する住民税5%は、利子割ではなく、配当所得に対する住民税5%と同様に、「配当割」と定義されました。

理由は、特定公社債等の利子が上場株式等の配当等に包含され、結果、申告分離課税が選択できるようになったことによるものと思われます。

申告分離による源泉税の取扱い

平成28年1月1日以後は、特定公社債等の利子所得と特定の譲渡により生じた上場株式等(特定公社債等も含む)の譲渡損失との損益通算が可能となったことから、申告分離課税を選択し確定申告をすることで、場合によっては源泉徴収された税金(配当割含む)を還付することもできます。

なお、特定公社債等の利子等についても、特定口座の源泉徴収選択口座に受入れができ、その口座内での通算が可能です。

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