家を購入・売却したり、または、リフォームしたりすると何かと気になるのが税金です。
特に、自宅(土地と家屋)の売却ともなると金額も中途半端な額ではなく、一定の要件を満たさなければ、税務上の恩典が受けられないといった「税金の落とし穴」に陥ってしまうこともあります。
(1)3,000万円の特別控除
通常、自宅を一定の親族以外の者に売却すれば、その自宅の所有期間にかかわらず、「譲渡収入」から「取得費」を控除した「譲渡益」からさらに3,000万円の特別控除の適用が受けられます。
計算例で示せば次の通りです。
①譲渡収入(売却代金)1億円
②取得費5,000万円であれば
③譲渡益は①-②で5,000万円です。
この譲渡益5,000万円から特別控除3,000万円を控除した金額2,000万円が所得税及び住民税の課税対象金額になります。
(2)申告分離課税と軽減税率の適用
確定申告は、分離課税で税率20%(所得税15%、住民税5%)ですが、同じ自宅の売却でも所有期間が10年超の場合は、税率は譲渡益6,000万円以下の部分14%(所得税10%、住民税4%)、6,000万円を超える部分は20%(所得税15%、住民税5%)です。
10年超の長期保有の自宅であれば、上記計算例の譲渡益(特別控除後)2,000万円のケースでは、税額は280万円(所得税200万円、住民税80万円)です。
(3)留守3年で不適用
本人が自宅に住んでいない、又は住むことを予定していない自宅の売却の場合は、税法上の「居住用財産」には該当しませんので、3,000万円の特別控除及び軽減税率の恩典は享受できません。
特に、高齢者の方が自宅を離れ介護施設等に入居する場合、施設によって生活の拠点が移ったと判断されることから、終身利用権などを購入して介護付有料老人ホームに入居、その後、一定期間経過後に自宅を売却するに至った場合などは注意が必要です。
税法では、居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却したときは、3,000万円控除の恩典が受けられますし、また、所有期間が10年超であれば軽減税率の適用も受けられます。
 

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