トップや幹部社員が「うちの社員はどうも前向きじゃない・問題意識が低い・改善センスがない」などと心の中で嘆いているとしたら、それは先入観・偏見である可能性が高いと言えるでしょう。 
先入観は一般に「人や物事に関する不確かで曖昧な情報から、憶測してネガティブに評価する決め付け」によって生ずるもので、誰もがよほど気を付けていないと、陥りやすい誤りです。
先入観が経営革新を邪魔する
経営革新を図る重要な局面で、このような先入観・偏見があると、社員のやる気や、改革手段の有効性について、トップの的確な状況判断を誤らせ、
「社員が本当はやる気満々なのに、社内に何らかのネガティブな環境圧力が働いていて生かされていない。」 
「社員からせっかく役に立つ革新対策が提案されているのに、上司の先入観・偏見で眼が曇って採用されない。」
と言った残念な結果に陥り、経営革新が頓挫してしまいます。
社員の善性を生かす
経営革新を成功させる基本的な要件は、本来前向きな社員の力を生かすことにあります。
人は本来「誰かの役に立ちたい、良い行いをして感謝されたい」と言う善性をもつ一方、「できれば楽をして稼ぎたい」と言う弱性を併せ持っています。
経営革新は、社員とその集まりである組織の善性を生かし、弱性を抑制することが基本になります。
トップの人間観で経営革新
したがってトップが社員の力を結集して経営革新を図るためには、改めてご自身や幹部の人間観を問い直し、次のようなポジティブな行動をとれば社員は挑戦意欲を高めて主体的に貢献してくれるでしょう。
①社員の善性と力を信じ、経営革新への積極的参加を求め、その場をつくる。
②社員に「問題の所在を“三現主義”で指摘し、改善具体策は具体的根拠を付けて提案する」ように求める。
③社員それぞれの基本的役割分担は決めるが、単独行動だけでなく、相互のコミュニケーションを活発にして、協力して成し遂げるように誘導する。

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