「賃金」とは何であるか、について考えて見ましょう。
労働基準法第11条は賃金とは「賃金、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の代償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定めています。
しかし、最近は企業経営者の間で「賃金の持つ重要な機能として、メッセージ性があること」が注目されています。
つまり「賃金は労働の代償であるばかりでなく、経営者が働く人びとに、どのように働いて欲しいのか、その期待や評価の考え方、基準を具体的に示してやる気を引き出す機能がある。」と言うわけです。
賃金のメッセージ性とは
働き手の成長と活躍が企業の利益や存続・発展を約束することは、言うまでもありません。
つまり、「企業は人なり。」と言われる由縁です。
働き手をやる気にさせる要因には働き方の仕組みと運用がありますが、その仕組みの代表的なものが賃金制度で、カタチとしては「賃金表」です。
働き手は賃金表を見て、例えば次のように考えて行動するでしょう。
①自分は「賃金表」のどの位置にいるだろうか。
②今年は今の仕事でどこまで頑張れば、もっと高い賃金が得られるだろうか。
③将来、自分はどのような成長と能力発揮・成果を高めればもっと高い賃金が得られるだろうか。
このように「賃金表」は絶えず働き手の意欲を引き出す機能を持っていると言えるでしょう。
これは正社員・パートさんにも共通です。
今後日本で進展する労働力不足の中で、正社員・パートさんの労働意欲を持続的に高めて行かなくては企業の存続そのものが難しくなるでしょう。
経営者の留意点
賃金表は業種・業態・職種・働き方などによって多様性があります。
また、「仕事・役割・貢献度に応じた賃金の配分、経営に占める人件費の割合を適正にコントロールすること。」など共通的で重要な設計要素があり、きちんとした設計方針を立てて賃金制度構築に取り組まなければなりません。

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