経営ビジョンは、企業にとって、社員とその他のステークホルダーにとって、重要な意義をもっており、そのためにいくつかの要件を満たすものでなければなりません。
経営ビジョンの要件とは
経営ビジョンが具備すべき要件は次の2点です。
1.自企業の社会の発展に貢献する事業領域・長期的目標と創造的な取り組み方が“経営者の思い”として単純明快で、分かりやすく表現されていること。
2.そのビジョンの実現は、同時にステークホルダーのメリットや社員の処遇向上につながる約束がされていること。
すなわち、1と2によって、企業の業績向上と社員をはじめとするステークホルダーのメリットが同時に期待できる点が重要であり、2つの要件が欠落していたり、曖昧であると様々な問題が生じます。
経営ビョン不在・要件欠落の害
経営ビジョンが明示されていない企業、または、経営ビジョンはあっても、要件が満たされていない企業では、ビジョンの浸透が図りにくく、次のような経営にとっての害が生じやすいと言えます。
①社員のバイタリティーが生まれない。
ⅰ)現状維持志向、保守的な意識・行動が生まれやすい。
ⅱ)消極的になり、高い目標に挑戦しようとしない。
ⅲ)目標達成意欲が低く、障害を乗り越える力に欠ける。
ⅳ)自らの座標軸を持たず、向上意欲に欠ける。
②株主・金融機関など、ステークホルダーの支持が得られにくい。
経営者の留意点
経営ビジョンの策定と実現にあたって、次の点に留意することが重要です。
①前記の要件1を満たすとともに、要件2について、ビジョン実現に伴う企業とステークホルダーの利益配分の考え方を共有すること。
②業績向上と社員の活躍・貢献に報いて処遇レベルの向上を図ること。
③経営ビジョンによる経営者の意思表示に止まらず、長期経営計画・中期・年度経営計画で、それらを具現化し、人事処遇制度の改定などにより、具体的に実現努力を行なうこと。
 

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