(1)譲渡所得は4分類
譲渡所得は、個人が資産を譲渡した場合等に生じる所得です。
譲渡所得の計算をするには、譲渡した資産の種類によって「総合課税」と「分離課税」に、譲渡した資産を所有していた期間によって「短期譲渡」と「長期譲渡」に分類する必要があります。
(2)総合課税と分離課税の分類
譲渡所得には、給与所得や不動産所得などの他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」(原則)となる譲渡所得と、その譲渡所得単独で税額を計算する「分離課税」(例外)の譲渡所得があります。
分離課税となる譲渡所得で身近なものには、「土地や建物等の不動産の譲渡による所得」、「株式や投資信託等の有価証券の譲渡による所得」などがあります。
(3)短期と長期の分類
譲渡所得は、譲渡した資産を所有していた期間に応じて、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分類されます。
短期譲渡所得は、その資産を取得してから5年以内に譲渡した場合の所得であり、長期譲渡所得は、5年を超える期間所有していた資産を譲渡した場合の所得です。(不動産の譲渡の場合に限り、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるかどうかで短期と長期の判定をします。また、有価証券の譲渡所得には、保有期間に応じた短期と長期の区分はありません。)
(4)なぜ複雑な分類をするのか?
譲渡所得を上記(1)のように分類するのは、税額計算が異なるからです。
総合課税の譲渡所得からは50万円の特別控除を引くことができます。(短期と長期がある場合には、まず短期から控除します)
更に総合課税の長期譲渡所得は、所得を2分の1にした金額が課税される金額になります。
総合課税の譲渡所得は他の所得と合算した上で、一般の所得税の累進税率が適用されます。
不動産の譲渡所得の税率(原則)は、長期は所得税15%地方税5%、短期は所得税30%地方税9%です。
有価証券の譲渡所得の税率は、短期・長期の区分はありません。
上場株式の譲渡の税率は現在所得税7%地方税3%、非上場株式譲渡の税率は所得税15%地方税5%です。
  

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