道路交通をめぐる最新情勢に合わせ、道路交通法はたびたび改正が行われています。
毎回厳しくなる取締りに、道路交通法違反件数も年々減少してはいるようですが、それでも交通事故がなくなることはありません。
社員がもし交通事故を起こしてしまった場合、従業員やその家族はもちろん、企業にとっても大きな不利益となることは言うまでもありません。
事故発生時の責任と罰
交通事故を起こした場合、道路交通法に基づく行政上の責任、刑事上の責任、また一般的に被害者への損害賠償が求められる民事上の責任など、複数の法律的責任を負うことになります。
これらの責任は事故を起こした社員個人だけでなく、その社員を雇用している企業に対しても連帯して責任を問われることがあります。
たとえば、社用車で営業を行っている社員の運転免許が失効し、無免許運転状態で事故を起こしたとします。
民法では「社員が業務執行中に自動車事故を起こし第三者に損害を与えた場合、使用者である企業が責任を負わなければならない」という使用者責任に関する条項を設けており、この責任から免れるには「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をした」こと等を立証しなければなりません。
民法以外でも、自動車損害賠償保障法では、企業が「その運行によって利益を得ていたか」ということで責任を判断する運行供用者責任が定められており、これについても企業が責任を免れることを立証するのは極めて困難です。
運転免許の確認など、必要な措置を企業が怠っていた場合には、やはり企業の管理責任が問われ、法律上の責任に加え企業の社会的信頼に関わることは間違いありません。
企業側の対策
このような事故を想定し、就業規則やマイカー通勤規定を作成している企業も多いでしょう。
しかし、規則には入れてはいるものの、実際に企業側が確認をしていなければ対策として具体的な効果を発揮しません。
社員の運転免許証を確認する
社用車の使用目的を確認する書面やマイカー通勤者に対する誓約書を作成する
といった確認を、少なくとも年に一回は行うこと、
また法令順守の徹底を指導するなどの方法で、社員と会社、双方の身を守る対策を講じたいものです。

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