消費税の複数税率化
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「野田首相が、一体改革の合意促進策として食料品軽減税率の採用に積極的である」とマスコミ報道がされています。
消費税は一律税率なので、税率改正は常に全国民を相手にすることになり、内閣の命運をかけた一大事業とならざるを得ませんでした。
しかし、複数税率にすると、商品分類別に税率を定めることが可能になるので、分類消費税という性格になります。
そうなると、贅沢品・嗜好品を優先的に高税率にし、その他の商品も贅沢的・嗜好的面のあるものを細分化することにより、差別化政策で税率アップを図ることが容易になります。
単数税率・食料品非課税
事務作業が著しく大変になるので、消費税の複数税率化に対しては、税理士には反対の人が多いです。
国税サイドも、税の執行と効果を考えると、「分類的な税率アップでは税収は限定的となり、執行の複雑化・困難化に比し効果が薄すぎる」と言うと思います。
国税の執行現場に尋ねたら、「単数税率のまま税率アップをしてもらい、その代わりに非課税枠を拡げる、という方がはるかに適正執行を確保しやすいし、税収確保に資する」と言うでしょう。
なぜ非課税が税収確保になるか
非課税が税収確保にあたるこのロジックは解説が必要です。
①消費税10%、食料品は5%のまま、という場合、食料品に係る国の消費税収入は最終消費者の食料品購入価格の5%です。
②消費税10%、食料品は非課税で、食料品の小売業者の課税仕入原価が8割とすると、国の消費税収入はゼロではなく、最終消費者の食料品購入価格の8%となり、3%の税収増になります。
消費税は、消費者の手に届く前の長い過程で、それぞれに関わった事業者によって仮に納められる前段階消費税がありますが、それが②の説明では8%ということで、これが国に収納されたままになるのです。
最後のドタン場で非課税策に
非課税による税収増のカラクリは、最終事業者を最終消費者に仕立て、前段階消費税控除を禁じ、一般に言う”益税”の反対の”損税”を負担させることです。
消費者と接する事業者の反対が予想されるので、誰も気付かないうちに実現させるシナリオとして用意されている可能性があります。

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