「DES」とはなにか
DES とは、債権者が債務者である法人に対して既に貸し付けている金銭などをそのまま現物出資することと引き換えに、債務者である法人の株式を取得することを言いま
す。
逆に言えば、債務者である法人が借入金などをなくしてもらう代わりに、自社の新株を発行することです。
「DES」のメリット
法人にとってのDES のメリットは、債務を株式化することで、貸借対照表の負債が減少し、その分資本が増加することです。
借入金から株式になれば返済する必要はなくなります。
借入金が減少して、資本金が増加し自己資本比率が上がることで決算書の見栄えがよくなり、銀行から借り入れがしやすくなる可能性もあります。
また、DES を行う借入金のすべてが社長からの借り入れであれば、社長の持株比率が上がり、経営が安定します。
「DES」のデメリット
逆に社長以外が債権者である場合、当該債権者に株式を与えることになるので、債権者が株主となり、経営に関与することになります。さらに他にも株主がいる場合で、
DES を行うことで株式の評価額が上がると、債権者から他の株主に株の価値を贈与したこととなり、贈与税が発生する場合があります。
税務的には、債務から株式に変更する際には、債務を時価で評価しなおして、その評
価額で出資することとなります。
例えば1,000 万円の債務を現在の時価に直して評価した際に50 万円の価値しかなかった場合には、1,000 万円の借入金は資本金として計上されるのは50 万円だけとな
ってしまい、差額の950 万円は、「債務免除益」として収益計上され、税金を払わなければなりません。
そして実務上非常に悩ましいところは、この債務の時価評価方法が具体的に定められていないことです。

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