「教育資金贈与信託」払出しは1,205億円
一般社団法人信託協会によれば、平成27年9月末現在の「教育資金贈与信託」の契約数(累計)は141,655件(信託財産設定額(累計)9,639億円)となっているそうです。
この信託財産設定額9,639億円のうち、すでに1,205億円が教育関連費用として払出しされたそうです。
1,205億円相当の金額が教育に消費されるとともに、贈与を受けた親権者の世帯の家計に余裕ができたと思えば、その効果は大きなものといえます。
口座からの払出し-2つの領収書提出方法
信託に限らず、銀行、証券口座に「教育資金」の贈与税非課税口座を作った場合の「教育資金」の払出しは、どちらも取引金融機関の営業所等に領収書等を提出する方法で行われます。
この領収書等の提出方法は次の2つの方法から選択することができます。
①教育資金を支払う都度提出する方法(期限:領収書記載の年月日から1年を経過する日まで)
②1年分をまとめて提出する方法
(期限:支払年の翌年3月15日まで)
(提出方法を選択した後は、その後において変更を行うことができません)。
①の「教育資金等を支払う都度提出」する方法では、教育資金を支払った後に、教育資金等の口座から払い出すという順番となりますが、②の「1年分をまとめて提出」する方法では、「教育資金の支払い」と「口座からの払出し」の時期の前後は問わないこととなっています。
まとめ提出の場合、12月「払出し」は注意!
ここで、②の「1年分をまとめて提出」する方法の場合、「その年中に払い出した金銭の合計額」が、「提出された領収書等の金額の合計額」を超えるときは、取扱金融機関が記録する教育資金支出額は、「その領収書等の金額の合計額」が限度となります。
例えば、受贈者が12月に金銭の払出しを行い、その金銭を1月に教育資金の支払いに充てた場合には、金銭の払出年と領収書等に記載された支払年が、同一年中とならないことから、その領収書等を3月15日までに提出したとしても、12 月に払い出した金銭は、それに見合う同一年中の領収書等の金額がなく、教育資金支出額として記録されないこととなってしまいます。

当法人は当業務日誌で発信した情報について正確な情報をお伝えするように努力をしますが、誤り・正確さ・取引の正当性などについては、当法人およびその情報提供者は一切の責任を負いません。

記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。

記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。

ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。