役割等級制度の設計、導入は、企業の人事賃金制度の根幹を見直す重要課題ですから、トップの意思決定に基づき、かつ経営者・管理職・全一般社員が納得する推進体制が不可欠です。
役割等級制度設計目的の明確化
少子・高齢化、価値観の多様化、雇用形態・就労形態の多様化、社内人材構成、社員が現状の等級制度や処遇についてどのような問題を感じているか(人事部門によるアンケートの実施)等から経営環境の変化に伴う従来制度の問題点を明確にし、役割等級制度設計により、問題解決を図るトップの意思決定を行ない、全社に発表します。
制度設計の体制づくり
役割等級制度が、経営者・管理者・一般社員に理解、納得されるために、次の体制をつくります。
①役割等級制度設計委員会(トップ・管理職・中堅社員代表)を編成し、等級と役割定義等、制度設計の重要事項を審議する任務を与える。
②制度設計プロジェクトチーム(人事担当部門管理者がリーダー、同担当者が事務局となり、管理職・中堅社員から選抜)を編成し、役割等級・等級定義に関する
調査、設計を担当させる。
役割等級制度の一般的イメージ
「年功的処遇による能力と処遇の不一致」は、社員アンケートでよく指摘される問題点です。
したがって、担当職務の役割、業務内容・成果責任・必要な能力等から等級定義を明確化し、それに基づく公正な処遇を行なうことが求められます。
役割等級イメージは、中堅・中小企業の場合、管理・専門職層で、2~3等級、一般社員層で3~6等級とすることが多いと言えます。
この等級は、職務調査等によって役割定義(成果責任・権限・必要能力等)を行ない、区分することが必要になります。
経営者・管理者の注意点
制度設計委員会とプロジェクトチームのメンバーは、社内業務の実際に通暁し、実務能力を持った、社内の信頼が得られる人材を選任することが大切です。
労働組合がある企業では、社員の納得を得るため、組合の委員に参加を求めるのが良策です。
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