「全社員が共通の価値観で結ばれている」と言える企業は、強い企業です。 
すなわち、価値観は、企業風土や従業員の具体的な行動、顧客が受け取るサービスや商品のありかたにも影響し、結果として企業の存続、消滅にも影響することがあるからです。
上下に価値観の断層がある企業
反対に、社内に価値観の断層がある企業は、問題企業と言えます。
例えば、経営者や管理者層が「自分達は能力と権限を持つ偉い存在だ」と自認して部下に命令し、従属を求め、一般社員層は、そのような上司に反発を覚えていたり、心にもなく迎合していたりする場合は、価値観に上下の断層があり、企業組織が一体となって経営目標を達成する上で、重大な障害となります。
このような状況にある企業は、その断層を埋めることが、当面するおおきな経営課題となっているのです。
共通の価値観を形成するには
経営者から一般社員まで、共通の価値観をもつには、いくつかの原則があります。
①経営者が「共通の価値観」の提唱者となって、社内に地位の上下や部門間に共通の価値観浸透を実現すること。
②価値観は、その表現はどうあれ、顧客や社会に貢献し、創造的精神をもって、変化に適応し、挑戦しつつ仕事に取り組むための規範であること。
③一時的な価値観の対立があっても、それらを共通の価値観形成への過程として超克し、一段高い視点から融合・統一を図ること。
④事業を推進する実務の中で、共通の価値観形成を図り、具体的で、実践性の高いタフな価値観とすること。
経営者・管理者の留意点
経営者・管理者の立場で、共通の価値観形成を図るチャンスは、目標管理制度の運用によく現われます。
例えば、
①目標設定の課題として、何を優先すべきか
②目標の高さをどこに置くべきか
③目標達成期限の設定
④達成プロセスの問題解決
などは、社員間の価値観の違いが現われやすく、おおいに議論し共通化を図るチャンスと言えます。

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