昨年の3倍以上
本年平成21年度税制改正の目玉の中心は住宅ローン減税と言われています。
平成21、22年に取得住宅に入居する場合、10年間に一般住宅で最大500万円の税額を所得税・住民税から差し引くことができます。
平成20年に住宅取得した人の減税の最大控除可能額が160万円だったことと比べると大盤振る舞い振りがわかります。
ありがたみは
ところで、この大盤振る舞いの減税効果ですが、夫婦二人でそれぞれ2000万円づつの住宅ローンを20年返済金利3%で組んだ場合、年初取得・年内入居でしたら、当初6年間の減税額計は、平成20年取得入居と21年取得入居ともに207万円で変わりありません。
しかし最後の4年間分の計には差があり、平成20年での取得入居では52万円、21年では103万円です。
即効性を期待する政策減税としては、このように後ろ倒しにしたのでは、ありがたみが実感しにくくなってしまいます。
住民税の住宅ローン控除の復活
所得税から控除しきれなかった分について翌年分の個人住民税から控除(上限9.75万円)する制度は、平成18年以前居住開始者についてのみ適用できるもので、平成19年以後居住開始者には適用拒絶となっていましたが、平成21年以後居住開始者に再び適用可能となりました。
制度改正の経過からすれば当然(19、20年居住開始者のみ気の毒)とはいえ前倒し効果のある朗報です。
大盤振る舞いの恩恵を受けられる人
ところで、10年間合計の減税額が最大控除額の500万円に達するケースは、当初の借入金を20年ローンで8800万円、25年ローンで7300万円もしている場合です。
最近の不動産価格高騰時の2007年に、リクルートが「首都圏新築一戸建て、マンション契約者動向調査」として行ったレポートによると、平均借入額は概ね3000万円で、5000万円を超える借入をする住宅購入者の割合は5%前後に過ぎません。
7000万円、8000万円も借入する人など滅多にいません。
したがって、総額500万円もの控除を受けられる購入者はきわめて少数で、多数の人が実際に受けられる恩恵にあまり変化はないといえます。
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