日本版401Kの変化
2001年に導入され始め、現在の加入者数は400万人を超えたといわれている確定拠出年金(日本版401K)の掛金は、これまで事業主による拠出のみとなっていましたが、平成24年1月から老後資金の確保を支援するため、事業主掛金にあわせて従業員からの掛金の拠出もできることになりました。
これを「マッチング拠出」と呼んでいます。
ここがかわった
昨年、成立した「年金確保支援法」により企業が「マッチング拠出」を採用すると、従業員も掛け金を追加して年金資産の元手を増やせるようになりました。
ただし、拠出できる掛金の額は、拠出限度額(他に企業年金制度がない会社の場合は月額5万1千円、他に企業年金制度がある会社の場合は月額2万5千5百円)の範囲内で、なおかつ、事業主の拠出額を超えない範囲となっています。
したがって、現在会社から拠出を受けている掛金の額が、仮に5千円とするならば、自分で拠出できる額も5千円が上限となります。
マッチング拠出は、あくまで加入者の任意による制度ですから、会社がこの制度を導入しても、拠出するかどうかは加入者である従業員の自由です。
具体的には今後規約に定められることになりますが、拠出を希望する場合は、申し出た金額が給与から天引きされ、事業主掛金と一緒に資産管理機関に納められることになります。
所得控除で節税のメリット
金融機関等を通じた資金運用が所得控除にならないのとは対照的に、掛金がこの法律による所得税法の一部改正で社会保険料等として所得控除の対象となる小規模企業共済等掛金に加えられました。
拠出した金額は小規模企業共済等掛金として全額が所得控除の対象となります。
また、従前どおり、運用益は非課税、受け取るときも年金所得控除の対象となります。
デメリットも認識して
ただし、確定拠出年金は従来の企業年金基金に変えてということですから、国民年金や厚生年金にプラスするかたちになります。
新しく始める場合は、企業の負担増は避けられませんので、ご留意下さい。
また自己責任で運用することや、元本割れ、年金受給年齢まで取り崩せないなど、従業員個人のリスクやデメリットの認識も必要です。

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