1.たばこ税について
たばこ税は、国税(たばこ税・たばこ特別税)と地方税(都道府県たばこ税・市町村たばこ税)からなりたっています。
国税と地方税の最終的な配分は4対6であり、地方財源を支える税収の1つといえます。
近年でみると、平成10年、15年、18年に続き、平成22年10月1日からたばこ税の税率が引き上げられており、たばこの販売価格のうち6割がたばこ税となり、この他に消費税が課税されます。
たばこは最も税負担率の高い物品の1つであり、他にはガソリンやビールも高負担率の物品です。
2.諸外国の健康増進についての税金
デンマークでは平成23年10月よりいわゆる「脂肪税」が導入され、その内容は飽和脂肪酸を多く含む食品に課税され、主にバターやチーズなどが該当するようです。
また、ハンガリーでは平成23年9月より、塩分の高いポテトチップスなどの特定の食品に対して課税するいわゆる「ポテチ税」が導入されています。
これらは健康増進の名目で導入されたようですが、その課税対象者がたばこよりも広範囲になっており、単なる増税ではないかとの批判もあるようです。
3.たばこ税率の引き上げによる影響
近年たばこ税率の引き上げの理由の1つとして、医療費の抑制につながるのではないかとされることがあり、その意味では健康増進につながるといえるかもしれません。
一方、たばこ税率を引き上げることによって、たばこの販売数量が減少していることから、最終的なたばこ税の税収の増減には大きな影響を与えていないようです。
日本のたばこは、イギリスやドイツに比べ安価といわれ、たばこの価格に占める税割合も低いことなどから増税の余地があるとの意見もあります。
たばこ税は東日本大震災の復興財源の対象にするか否かという検討がなされるほど、国・地方にとって重要な財源の一つとなっており、今後の税制の動向が気になります。

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