大法人の100%子会社と中小企業特例
平成22年税制改正で、「中小企業に有利な特例は、大法人の100%子会社には不適用」とされました。
次の特例項目です。
①800万円以下部分への19%税率適用
②19%税率の15%への時限的軽減
③欠損金繰戻還付不適用制度の中小企業不適用特例
④同族会社の留保金課税不適用
⑤貸倒引当金法定繰入率の中小企業特例
⑥交際費損金不算入制度の中小企業特例
外国法人子会社への適用規定のないもの
上記の①から⑥までの項目は、親法人(資本金5億円以上)の100%子会社が内国法人の場合には、全部不適用なのですが、外国法人である場合には、④から⑥までの有利規定項目がそのまま適用され続けています。
平成23年12月改正、24年3月改正でも、これらの規定の全部について見直し改正がありましたが、内外格差の部分については、特に見直しはありませんでした。
内外格差の具体的様相
①の規定は内国法人と外国法人について別々に規定しています。
②の条文は、内外の区別ない法人一般を対象にするもので、その中で内外の100%子会社排除の規定を置いています。
①と②の規定には、内外格差はありません。
③の欠損金繰戻還付と④の留保金課税の規定は、従来から内国法人に対してのみの規定であり、新たな問題ではないので、これらには特に内外格差の指摘の必要がないかもしれません。
問題は、⑤と⑥の規定です。
これらの規定は、もともと、内国法人・外国法人に限定した規定ではありません。
それにも拘わらず、内国法人である100%子会社のみを排除する規定を置きました。
外国法人である100%子会社排除の規定はここにはありません。
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