地方公共団体に対する寄附金の位置付け
2019年7月18日に起きたアニメ制作会社「京都アニメーション(以下京アニ)」の放火殺人事件、事件後にはアニメファンだけではなく企業から支援の寄附や申し出が相次いでおり、政府は被害者らへの寄附金を「地方公共団体に対する寄附金」と位置付けるようにする意向です。
すでに20億円を超える京アニへの寄附金を、受け入れ先を自治体などとして京アニ本体から切り離し、通常企業が寄附を受けた際に発生する課税を抑える方向で、国税庁などと調整をするようです。
地方公共団体への寄附とするメリット
この「地方公共団体への寄附」とすることは、寄附をした側にとって、税的な優遇が大きくなるメリットがあります。
個人が一般企業に寄附した場合、個人は寄附金控除を受けることはできません。
しかしこの「地方公共団体への寄附」となると、最近知名度が上がっている「ふるさと納税」と同じ扱いとなります。
個人の所得や控除によって上限金額はあるものの、上限以内の寄附であれば個人の負担は2,000円で済みます。
この仕組みは災害等で募金の活動費や手数料を取らず、寄附額すべてが自治体の分配委員会へ行く「義援金」も同じですが、今回のように犯罪被害に関する寄附金を義援金と同等に扱うことは異例の対応となります。
また、企業から企業への寄附も原則として資本金などに応じて算出する一定の限度額しか所得から差し引くことができませんが、「地方公共団体への寄附」とすると、企業が拠出した寄附金は全額損金算入が可能となります。
特別対応、今後どうなる
今後、同じような事件が起きた際にも「犯罪被害に関する寄附金を義援金同様に扱う」と、恒久的な仕組みになるのでしょうか?
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