平成31年度税制改正大綱では、少子高齢化が進む中、持続的成長を実現するための「研究開発税制の見直し」や「中小企業支援」「地方創生」の推進、「税源の偏在」の是正措置等の改正項目が挙げられています。
研究開発税制はベンチャー企業に優遇措置
試験研究費の総額に係る税額控除制度について、税額控除率を見直し一定のベンチャー企業(設立10年以内の法人のうち、当期に繰越欠損金額を有するもの等)の控除限度を40%(原則25%)に引き上げました。
総額型・控除率(A=増減試験研究費割合)
A>8% 9.9%+(A-8%)×0.3
A≦8% 9.9%-(8%-A)×0.175
特別試験研究費の税額控除については、研究開発型ベンチャー企業(産業競争力強化法の新事業開拓事業者など)との共同研究等に係る税額控除率を引き上げました。
オープンイノベーション型(共同研究)
特別研究機関・大学 30%(据え置き)
その他の民間企業 20%(据え置き)
研究開発型ベンチャー企業 20%→25%
また、高い水準の研究開発を行っている法人について、総額型の控除率を割増しした上で、高水準型が総額型に統合されます。
中小企業支援税制の延長・見直し
中小企業支援のため、①中小企業者等の法人税率の特例、②中小企業投資促進税制が2年間延長されます。
また、地域未来投資促進税制について、高い付加価値創出に係る要件を満たす場合の特別償却率を50%(現行40%)、税額控除率を5%(現行4%)に引き上げる等の見直しが行われました。
事業税率の改正・特別法人事業税の創設
法人事業税の標準税率が改正され、特別法人事業税(31年10月1日以後に開始する事業年度より適用)が創設されました。
この税の全額を都道府県に対し、特別法人事業譲与税として、人口を譲与基準として譲与することで税収再配分が行われます。
(1億円以下の普通法人等の法人事業税)
年400万以下 5%→3.5%
年400万超 7.3%→5.3%
年800万 9.6%→7%
事業税(所得割)の37%
その他の改正項目
その他、仮想通貨の期末評価方法・譲渡原価の算定方法などの整備が行われます。
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