5年の後納制度は9月末で終了
会社を退職して無職の間に、国民年金保険料を支払っていなかった場合等に後から保険料を納めることができる「後納制度」が2015年10月から実施されています。
通常の後納制度は2年以内ですが、今回期間限定で行われている後納制度は5年間です。
2018年9月末までの5年間を遡り、古い分から支払うので13年度14年度15年度の順で支払います。過去33年を超える期間は当時の保険料に年度ごとの加算金が付きます。
保険料を遡り払いするメリット
保険料を遡り支払いすることで得られる点としては、年金の受給資格期間(現在10年)を満たす場合もあるでしょうし、年金額も増えます。
1か月分保険料を納めると老齢基礎年金は年額で1,624円増えます。保険料は社会保険料控除の対象となりますので所得税や住民税が軽減されます。
日本年金機構によれば5年後納の利用者は18年3月時点で22万人を超えています。
1人当たり平均7.7か月分の後納(金額では約12万円)であり、増額される老齢基礎年金は平均年額12,500円となります。
厚労省の発表では17年度の国民年金の納付率は66.3%と6年連続改善しているものの、なお3割以上が未納状態であると言います。
保険料が上がってきたこともあるでしょうが、未納月が多ければ将来年金が受けられない事態もあるでしょう。
年金制度には老齢年金だけでなく若年で病気や事故に遭って障害が残った場合の障害年金や、万一の時の遺族の生活を支える遺族基礎年金があり、未納ではこれらが受けられないことがあります。
後納制度以外の受給額増額方法
他にも国民年金には受給額を増やす方法があります。
基本は保険料の納付月数を満額40年(480月納付)に近づけることです。
60歳になっても40年に満たない場合は65歳まで任意加入制度が使えます。
他にも収入の少ない時は保険料の免除制度や学生納付特例制度があり、受けた期間は10年以内ならこれらの期間を遡って追納することもできます。
いずれも、利用するには年金事務所等に申し込みをすることが必要です。
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