会社に利益をもたらす源泉はどこにあるか

会社は売上を上げてそこから得た利ざや(=売上‐売上原価)を得ます。これは「粗利益」とも呼ばれ、その会社の「付加価値」を表します。

この粗利益から会社の運営に必要な経費(=家賃+人件費+その他販売費および一般管理費)を賄い、それが本業での儲けとなります。

そのため、会社が事業を行って得た付加価値(=粗利益)こそが利益の源泉であり、本業での利益を実現させるためには、「粗利益の絶対額のアップ」が必要です。

こんな事態に即答できるのが課長の会計力

設例:値引きと無料オプション、どっちが儲かる?

貴社は販売価格90万円(仕入価格63万円)の複合機を売っています。

A社に訪問中の部下から、「2台の注文で1台あたり10万円の値引きを要求されている」と電話連絡が入りました。

あなたならどう対応しますか?

こうした場面は日常よくあるのではないでしょうか。
A売上を確保するため10万円引きで2台販売する

B値引きは各4.5万円(5%)とし、その分1セット5万円(原価1万5千円)の交換用トナーを合計4本で20万円相当を無償でつける
表面的な売上金額の多寡ではなく、どちらが粗利益が大きくなるかを考えます。

A値引きの場合、会社の粗利益は値引き金額そのものが減り、本来2台で54万円(=[90万-63万]×2)のところ34万円となります。

お客さんは20万円得します。

Bオマケの場合、値引きが5%なので粗利益の減少は9万円(=90万×5%×2)で45万円の粗利益を確保できます。

ただし、販売価格5万円のトナーを無償で4本つけるのでその分出費がかさみます。

とはいえトナーは原価1.5万円ですので影響は6万円ですみ、会社の粗利益は39万円になります。

一方でお客さんは9万円の値引きに加えて買えば5万円するトナーを4本オマケでもらうので29万円得します。

Bの方が自社も顧客も得しますので、対案としてBを提案させます。

こんな思考が営業の人にも必要な会計力です。

会計思考は意思決定を助けてくれる

粗利益の絶対額からどちらが儲かるかを考える以外にも、管理会計的手法で、外注・追加注文の意思決定や撤退条件、投資の利益計画などがわかります。

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