独立行政法人労働政策研究・研修機構が従業員100人以上の企業約2500社から回答された調査の結果、最近過去1年における1か月当たり所定外労働時間は平均24.5時間でした。
また、過去1か月当たり45時間超えの所定外労働時間労働を行った正社員が1人でもいた企業の割合は76.5%で、60時間超えが61.4%、80時間超えは39.9%でした。
これらの時間超えの多かった業種は「建設業」「製造業」「情報通信業」「運輸業・郵便業」「学術研究、専門、技術サービス業」でした。
今後の方向性
上記の企業に年間総労働時間の今後の方向性について聞くと「現状の通りでよい」の回答は49.2%、「短縮してゆく」は45.7%でした。
エン・ジャパンが2014年に行った調査では「業務分担やフローの見直し」「管理職への教育」「残業の事前申請制」の3つが実施効果のあったものとされています。
これらは「経営トップからの呼びかけや経営戦略化よる意識啓発」、「所定外労働の事前届出制の導入」、「仕事の内容・分担の見直し」で、経営戦略として残業削減に取り組むことが効果的であると言えるでしょう。
残業時間削減に効果のある取り組み方
先の機構の調査結果では、実施した企業で所定外労働時間の短縮効果が高かったのは「強制消灯、PCの一斉電源OFF」「経営トップからの呼びかけ」「経営戦略化による意識啓発」「社内放送や終業ベル等の呼びかけ」「労働時間管理や健康確保にかかる管理職向けの研修・意識啓発」等の取り組みとなっています。
50人以上事業場のストレスチェック制度実施も始まり、労働者の健康管理にさらに気を配る必要が出てきました。
また、労働基準法の改正の動向も中小企業でも残業時間月60時間超えの場合に割増率を5割にする案が出ていますし、年次有給休暇のうち年5日を強制取得とする案も挙がっています。

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