海外への資産逃避による申告漏れ対策
2012年度税制改正大綱は、国外財産に係る所得や相続財産の申告漏れが近年増加傾向にあること等を踏まえ、一定額を超える国外財産を保有する個人に対し、「その保有する国外財産に係る調書の提出を求める制度を創設する」としています。
対象者は中流上層以上の資産家か
対象者は、年末時点で国外財産の総額が5千万円を超える居住者であって、提出する「国外財産調書」には、財産の種類、数量及び価額などを記載し、翌年3月15日までに、税務署長に提出するということのようです。
所得税、相続税の申告漏れを捕捉することが目的とされてはいますが、提出期限から判断して、所得税法に規定が置かれるものと推測されます。
所得の有無とは無関係な申告
所得税法に規定が置かれるとしても、この「調書」は所得の有無とは無関係に提出義務が生じます。
所得税法では、合計所得金額が2千万円超の者への「財産債務明細書」の提出を義務付けていますが、新設予定の「国外財産調書」の提出義務者には所得要件がありません。
所得税の確定申告書の提出義務がなくても、調書提出だけが必要になることもありえます。
財産申告という新しい可罰制度
従来からあった「財産債務明細書」の提出という財産申告には、不提出や虚偽記載に対するペナルティーはありませんでしたが、「国外財産調書」の提出という財産申告には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が法定されます。
また、国外財産に係る所得があるのに国外財産調書不提出の場合、その所得部分についての無申告加算税・過少申告加算税には、5%が追加重課されます。
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