経営理念を実現するためには、戦略や事業計画を立てることが不可欠です。
これは中小企業にとっても大変重要で、 実際に2007年度に東京商工会議所が実施した調査によれば、経営総合力が高い中小企業では、5年以上の経営計画を策定している企業が約2割、3年以上までを含めると6割に達しています。
ここでは経営計画策定の4つのステップ
①現状分析
②経営ビジョンの明確化
③経営戦略の策定
④事業計画の策定(数値目標を含む)
のうち、
事業計画の眼目である、目標設定の方法に注目して、「社員の力を出し切る目標設定法」について解説することにします。
「目標」が持つ意義
経営にとって目標設定が重要な理由は、
①経営戦略・事業計画が達成されたかどうかを評価する基準であること
②社長をはじめ、社員が「頑張ればクリアできるぞ」と日々努力するバーの機能を果たすこと
 
にあります。
特に難しいのは、「社員がやる気になって力を出し切るストレッチ目標」をどう設定するか、と言う点です。
ストレッチ目標への誘導法
「ストレッチ」とは「従来の改善ではとても達成出来ない目標を設定して、全く新しい発想を出し合い、革新的な方法を考え出し、実践して目標を達成すること」です。
言いかえれば、「みんなが力を出し切ってようやく手が届くレベルの目標」のことで、社長や幹部社員の腕前が問われるのは、事業計画の目標を、社員にとって自らチャレンジする「ストレッチ目標」に置き換える誘導方法・技の使い方です。
そのヒントは次の2点です。
①社員に事業計画の背景・ニーズ・目的・目標の根拠を良く説明し、Q&Aで理解してもらい、協力を求める。(事業計画へ参加を求めればやる気につながる。)
②自分達の具体的目標とその達成手段について自ら考えてもらい、意見・アイディアを出し合い、「衆目評価法」を使う等によって、手段の裏付けがあるストレッチ目標に誘導する。

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