無申告加算税とは何?
法定申告期限内に正当な理由なく申告しなかったために税務署から調査を受け、期限後申告をしたり決定を受けた場合には無申告加算税が課されます。
その税率は、納付すべき税額のうち50万円までは15%、50万円超は20%です。
ただし、自主的に期限後申告をした場合は5%です。(国税通則法66条)
関西電力事件
関西電力(株)が申告及び納期限内であるH15.6/2迄に消費税等として総額247億円余りの納付をしていましたが、消費税の申告書の提出はしていませんでした。
その後、申告書の提出をしていなかったことに気づき、期限後に提出をしました。
そこで、所轄税務署長は期限内に申告書の提出がなかったことを理由に、5%の無申告加算税(12億円余り)の賦課決定処分をしました。
大阪地裁はこの処分に対し、期限内の納付書の提出や納付をしたからと言って、瑕疵ある(誤った)申告が治癒されるわけではない、また申告納税方式の趣旨に反するなどとして、原告(関西電力㈱)の請求を棄却しました。
なぜ失念した(忘れた)のか
上場企業の場合、法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例(法人税法75条の2)の申請を行うことで、法人税の確定申告書の提出期限が1ヶ月延長されますが、消費税法にはこのような延長の規定がないため、消費税の確定申告書の提出を失念(忘れて)しまうケースがあります。
関西電力事件のように、申告の意思もあり、期限内に納付を済ませていても、申告書の提出がなかったために無申告加算税が課されるケースが多く見られ、次のように国税通則法が改正されました。
無申告加算税が課されない場合
次の要件のいずれも満たす場合には無申告加算税が課されない取り扱いとなりました。(国税通則法66条)
①期限後申告が、法定申告期限から2週間以内に自主的に行われていること。
②かかる納付すべき税額を法定納期限までに納付し、過去5年の間、無申告加算税等が課されたことがなかったこと。
やはり消費税と法人税では取り扱いが異っているのは、「税法がわかりにくい」といわれても仕方がないと思います。

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